拈華微笑(ねんげみしょう)―2
先回、「伝音」の 波動伝達と申し上げたのは、
元極特有の言葉であらわせば、「元音」の伝達ということであり、
一般的に判り易く表現したに過ぎない。
何度か、講座の中で私が体内より元音を生発し、
「風(ふぉん)」という形でお見せしたのを覚えていらっしゃる方もおいでであろう。
この元音生発の功法は、「階み」に昇格すれば、
修錬段階として勉強することが出来る。
黙念の基本は、日常会話の中にもある。
それについて、張志祥先生が、その著作の中で語っておられる。
談話も訣のエネルギーを表現する一種の方法である。
現代のいわゆる「外気を放出する」功に相当する。
人が交談しているときは、思想を交談の内容に集中させて、
全身のエネルギーを動員して談話に応対する。
意気投合して話に脂がのってくると交談者は「功能態」に入るのであり、
体内の「音」が高度に組み合わされて配列し、口から妙語、警句が連発される。
この時は特異なエネルギーが放出されていて、聴者を魅了してしまって、
その喜びに従って喜び、その悲しみに従って悲しむ。
これはエネルギーが聴者に働きかけて、「共同の音」を出させたのである。
音を持って、音を求めるため、双方の心音が同調までに達する。
これが即ち共鳴であり、知音である。
(つづく)
キャノンS90