ステロイド 1

今まで、このブログを初め、あちらこちらで「ステロイド」について書き散らしてきたものが、
少し溜まったようなので、整理しながら再掲したいと思います。

ステロイド薬は有功か?―1

2009/11/27中日新聞「紙上診察室」の欄で、下のように書かれていました。

「ステロイドやめたら肌が化膿」
Q)13年間、肌荒れにステロイド軟膏を使い続け、知人の勧めでやめたら、
顔、身体、足が象の肌のようにひび割れて化膿しています。(男性・35歳)

A)リバウンド状態、専門医へ―東京医科大皮膚科教授 坪井良治氏

肌荒れの治療にステロイド外用薬(軟こう)を使っていたということですが、
一般に、ステロイド外用薬は、慢性湿疹やアトピー性皮膚炎などに使用します。

ご相談の場合は、これらの皮膚の病気にステロイド外用薬を使っていて急にやめた為に、
押さえられていた元の病気の症状が悪化したことが考えられます。
いわゆる「リバウンド」といわれている状態です。

長期間ステロイド外用薬を使っている人は、使用を急にやめてはいけません。
症状を見ながらメリハリを付けて使うことが大切です。
症状が軽い場合は、一日おきに使うといった間欠療法を行うのが普通です。
皮膚科医の指示ではなく、自己判断や周囲の勧めで薬をやめることは大変危険なことです。
症状が悪化することがあります。

ステロイドの外用薬については、副作用を必要以上に恐れる人もいるようですが、大きな誤解です。
長い間内服している人には骨がもろくなったり感染症を起こしやすくなるといった副作用が出ます。
一方、外用薬の場合は、長期間使用をすると、皮膚が薄くなったり、
毛細血管が浮き出る酒さ様皮膚炎などが起きることがあります。

(注[goo辞書より]:しゅさようひふえん【酒皶様皮膚炎】

【英】Rosacea-like Dermatitis
どんな病気か

 湿疹(しっしん)などの治療のために長期間、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン剤軟膏(ざいなんこう)を使っているとおこります。
口や鼻唇溝(びしんこう)のまわり、あご、頬(ほお)の毛細血管(もうさいけっかん)が拡張し、皮膚が真っ赤になって腫(は)れ、
にきびのような丘疹(きゅうしん)ができ、皮片(ひへん)がふけ状にはがれ落ちるため、口囲皮膚炎(こういひふえん)とも呼びます。
かゆみ、ほてり、つっぱり、ヒリヒリ感もあります。

治療
副腎皮質ホルモン薬を含む軟膏の使用を中止します。
急激に中止すると、湿疹などの病気が再発しますから皮膚科を受診しましょう。
)


特に顔には、こういった副作用が現れやすくなりますが、
前述した間欠療法や別の外用薬を使うことなどで対処できます。
ご相談者はできるだけ早く、皮膚科専門医の受診をお薦めします。

上記のようなお医者さんも多い中、医薬関係者の中にもまったく反対の意見の方々もいらっしゃいます。

実際、記事の如くであれば、一生ステロイド剤を使い続けなければならない訳であるし、
副作用にはずっと悩まされ続けることになるのです。
使い始めの一時は、症状は表面的に緩和したように見えるのですが、原因を消すことのない薬だということでしょう。

Posted by masuda