修錬と食事―5
温野菜などの一度熱を通したものは、細胞膜などの形質が柔らかくなっていますから、吸収しやすく身体にとって、なじみやすく消化吸収しやすい食品となります。
そのことの延長線上に、また同時に存在するのは、植物はすべて動物にとって食べにくいように「灰汁(あく)」を持ちます。最近では、品種の改善によって、ずいぶん、少なくなってきているようですが、灰汁という存在があります。その灰汁によって、身体が冷えるということが起きます。
灰汁の成分は、悪いモノばかりではありませんが、それは、刺激的で身体の陰陽のバランスを崩しやすい傾向があります。
ほとんどの生野菜は、陰に傾きやすいような灰汁を持っています。
その灰汁を熱によって処理すると、灰汁の性質が変わることがあります。温野菜となれば灰汁(あく)の性質が変わり、身体を温める「陽」の性質を持つようになる野菜もあるのです。
(つづく)