ピカソ展(10) 国立新美術館、サントリー美術館、名古屋市美術館

ピカソが、自ら晩年の絵の描き方について、述べています。
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私にそのものの形状が見えていたわけではありません。 何かしら、そう描かなければいけない衝動に突き動かされて、筆を走らせました。写実的に書くことは、もちろん可能でした。

私は、その被写体を書こうとしたときに「どうしても書きたい」「書かなければいけない」そういう衝動に突き動かされて描きました。それは、そこにある何か、私の中にある何か!でした。その時に、その何かは、私自身も理解していませんでした。しかし、その思いの通りに描くことが一番いいことだと、私は感じていました。

すでに、富もあり、名声もあり、手に入れることが可能なモノは、すでに受け取ることが出来ていました。衝動的に書くことが許された条件が、すでに整っていました。

突き動かされる魂の声、モノの声、物体の声、人物の声に従って、ただ突き動かされるがまま、描いたのです。作品を描くことが私にとって、幸せなことでした。
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(続く)


写真をクリックすると大きくしてご覧になれます。「膝を抱えるジャクリーヌ」1954

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