ピカソ展(7) 国立新美術館、サントリー美術館、名古屋市美術館
今回は、ピカソの抽象画について、本人に語っていただきます。
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丸に、四角に、三角に、ペケ。そういう羅列のキャンバスを覚えていますか?
抽象画を私の全てだと思っている人がいます。
私が、抽象画を描いたのは、晩年になります。きめ細やかな写実的な絵をさんざん描いたあげくの抽象画でした。それは、物事のとらえ方が、私の中でどんどん変化していったからです。
物事は、すべて、無形のモノに繋がっていると感じ始めていました。そのものは、形や色合い、存在する光の度合い、だけではなく、無形のエネルギーの波動を持っていると感じたのです。その無形のエネルギーの波動を、私は表現したい、と思い始めたのです。
その表現が、抽象画へと発展しました。
私の絵がまったく無意味で、何を表現しているのか分からない。けれども、私の絵だから、有名になったと言うのが、一般の方々の理解かも知れません。
確かに、晩年の私の絵は、何を表現しているのか分からないでしょう。
その中に、無形のモノを書きたい。ほとばしるエネルギーの波動を表したい。形には見えない何かの物体を表したい。と言う気持ちが私には、ありました。
それは私の意識する顕在意識の叫びというよりは、私の全ての意識からわき出てくる要求でした。
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(続く)
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