ピカソ展(6) 国立新美術館、サントリー美術館、名古屋市美術館
ピカソ自身による話の続きです。
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私が死後、神になれたのは、人を感動させた成果です。
私自身は、人々に生き様として良い影響を与えたとは、決して思えません。 それほど、周囲の人々にとっては、一人の人間としては、迷惑な存在であったと思っています。作品としては、良い作品を残したのですけれども、私自身は、わがままで、傲慢で、未発達 、自己主張が強くて、…そういう性格を世の中が、受け入れてくれた結果、良い作品が完成しました。
それを可能にする女性達との人間関係が存在していたからこそ、成り立っていたのです。
ですから私には、あなた方のように人のために、生きようとする精神の気高さはありませんでした。私は、ごねた生き方をしました。人に尽くす生き方ではありませんでした。やりたいことをやりたい放題にやった。その結果が、立派な作品に仕上がった、というわけです。
時代背景もあります。そういうことが許されるおおらかで、緩やかな時の流れの時代でした。私が生かされた時代の背景に恵まれていたのでしょう。私は、今後芸術を世に広める仕事の上で、世の中の発展に力を貸しますから、どうぞ皆さん、前に進んでください。
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(続く)
写真をクリックすると大きくしてご覧になれます。「ドラ・マールの肖像」1937