巨匠ピカソ展(2) 国立新美術館、サントリー美術館、名古屋市美術館
先回、ピカソ作「人形を抱くマヤ」について少しお話ししました。
今回は、「絵を描くということ」について、パブロ・ピカソさんから直接お話ししていただきましょう。
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ピカソです。
唐突ですが、エネルギーのやりとりが存在しているからこそ、絵を描くということが成り立ちます。逆に言えば、絵を描くということの上には必ずといってエネルギーのやりとりが存在するのです。エネルギーのあるモノを写して描く。うつしてかく。その行為は、相手のエネルギーを自分を通じて、画面に移すという行為です。さらに、自分の情念をそこに、思い描いて描く。相手の姿、形、その形状だけではなく、相手の持っている「生々しい生き様」、「思い」―― それも自分の情念に乗せて描く、という行為です。
それは、懸命に自分の思いを描きつづけることです。思いを届け、エネルギーのほとばしるほどの思いをその画面に残す作業が、絵を描くという行為です。絵を描くという行為は、単なる移して描くということではありません。被写体から得た状況、情報、内からの情報をどれだけ感じ取って、そのあとに、キャンパスに思い(情念)を写し取るのです。まず、被写体から感動すること、感激すること、心が動くこと、ある思いを持つこと、そこから絵を描く行為が始まります。 (続く)
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今、国内三カ所でピカソの展覧会を開催しています。
巨匠ピカソ愛と創造の奇跡 国立新美術館 ~12/14
巨匠ピカソ魂のポートレート サントリー美術館 ~12/14
ピカソとクレーの生きた時代展 名古屋市美術館 ~12/23