巨匠ピカソ展(1) 国立新美術館、サントリー美術館、名古屋市美術館
今、国内三カ所でピカソの展覧会を開催しています。
巨匠ピカソ愛と創造の奇跡 国立新美術館 ~12/14
巨匠ピカソ魂のポートレート サントリー美術館 ~12/14
ピカソとクレーの生きた時代展 名古屋市美術館 ~12/23
これに因んでか、去る10/22、朝日新聞夕刊 美の履歴書欄にピカソの「人形を抱くマヤ」について記述がありました。
横顔の輪郭なのに、片目は正面を、もう一方は斜めを向く。横向きの鼻に、鼻孔は二つ並ぶ。そして、大きな唇。ピカソは、マリー・テレーズとの間に生まれた娘を、極端にデフォルメして描いた。対象をさまざまな角度からとらえて解体し、再構成することで、本質に迫ろうとしたのだろう。ここでは、娘の姿のみならず、心理まで描き出そうとしたのかも知れない。しかしマヤが抱く人形は、何故か、ごく普通に正面から描かれている。人形には命がない、という指摘もある。だとすれば、ピカソは命あるものに興味を示し、それをデフォルメによってカンバス上に再現しようとしたと見ることも出来る。
「なぜ人形は普通なのか」と、この記者は表題で問うていますが、これに正解を与えることは、日之本元極の講座を受講している者にとっては簡単なことです。
一人の人に、五つの意識が同居することを知っていれば、芸術の見方も的を得たものになってきます。
ピカソはそのことを知らずとも、その存在を感じ取っていたのです。そして自らの魂からの語りかけに突き動かされ、生きとし生けるものの見えない真の形態を描こうとしたに違いありません。
黒川紀章氏設計 国立新美術館
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