豊川稲荷―きつねの嫁入り(2)
そして、 わずか少数の人のみ感じているように「きつね」は神を意味します。
その神社にいる、依拠する神々のことを 「きつね」と呼んでいます。
そのきつねは、もちろん一神ではなく、役割によっては様々ですが、総称を「きつね」と呼んでいます。「きつね」が次なる役割を与えられて、次なる座を得て、神社ごとあらたな役割に変更されるときがあります。
神社は、人の事情で建てられているかに見えて、実は神の意図(糸)で、建てられています。もちろん、個人の欲だけで建てられている神社もありますが、そことて、神の「いと」で建てられている(建てさせた)場合もあるのです。
それは人の世界で、日本の領土の神社の位置が、世界の領土に相関し、関連し、正副しているのですから、ほとんど、神々の「いと」で配置されたものです。
それらの神社にいる神々が、神社の神々の役割の変更によって、移動することがあります。それを「きつねのよめいり」と呼んでいます。それは、まさしく嫁入り行列であるかのようです。にわか雨が降り、行列の前を祓い清めて、邪気を沈めて、通じていくようすを指しています。
少々、敏感で察知できる者に、このことを「きつねのよめいり」と知らしめてあるのです。
(完)
豊川稲荷―きつねの嫁入り(1)
豊川稲荷にお寄りした事に因(ちな)んで、「きつねの嫁入り」について、お話ししましょう。
「きつねの嫁入り」とは、日の照っているのに突然雨の降ることを言ったり、夕方から夜にかけて、遠くに狐火と呼ばれる光の列が見えることを言います。
順にご説明すれば、日本全国の神社では、ほとんどの神々は、神社の本殿にいるのではなく、近くの木に居していることが多いのです。
神殿は、人々の操作がはいり、人々の意識が、「せいじょう(清浄=正常)」であれば、そこに鎮座することもありますけれども、実際には多くの神々がいるにも関わらず、祭られる神が一神であったり、間違っていることも多いので、多くの神に付随する眷属も含めて、その近くの「神木」に依拠(=移居)していることが多いのです。
ほとんどというのは、祭られるご神体といわれるところに、もちろん存在する神もいます。神は、一神ではなく、その座に相応しい部下や眷属を引き連れて、多くの神々が神木に居ることが多いのです。
そういう意味で、「木」に「常」にいる「きつね」という風に、呼び名を現しています。
神々は意識の伝達で意思疎通する為、言葉を有する必要がありません。人に言葉で伝えるときに、冗談のように伝えることもあるのです。
(つづく)