歳を取ってくると、どうも物覚えが悪くなった、健忘症か?いやひょっとしたらボケてきたのかもしれない。などと不安になるものです。痴呆症(近年、言い換えて気を紛らわせようとするのか、認知症と言っていますが・・・)への恐怖は、中年にさしかかった頃から、年々大きくなっていくもののようです。
如実に実感するのが、他人の名前です。
「やー、こんにちわ。お久しぶりです。」
突然、町中で声を掛けられ、
「あー、ご無沙汰しています。お元気ですか?」
言ってはみたものの、顔は見覚え有るが、どうにも名前が思い出せない。
「皆さん、お達者でいらっしゃいますか?」
自分で言っているのだが、皆さんとは一体誰達の事やら・・・・
当たり障りのないことを羅列して、
「では、ちょっと急ぎますので、失礼します。」
などと、早々に退却するが、
「あの人、判ってたんじゃないか、私が名前を思い出せないこと。」
と、その後もずっと気になるが、いつまで経っても思い出せないてな事、有りませんか。
いいこと教えます。
「やー、やー、やー、お久しぶり。お元気?そー、それは結構、結構。ところでお名前何でしたっけ?」
って、聞いちゃうんですよ、大胆に。
すると相手は
「やだなあ、名前も覚えていてくれてなかったんですか?鈴木ですよ。ガッカリ。」
と不満そうに言いますから、
「いえ、いえ。名字は覚えてますよ。忘れる訳無いじゃないですか。名前、ファーストネームをちょっと失念しちゃったんですよ。私も歳ですねぇ。」
と返せば、難なく本人から氏名を聞き出せるというもの。
でも、この手を使えるのは一度だけですよ。
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