功と肉体

功の検証方法として、唾液の状態について教科書のあちらこちらに書かれています。

次のような状態がそろっているのであれば、修練が上手くいっている証拠です。

1.沢山出る

2.粘性が高い

3.甘い

4.香りがよい

修練をしていない一般の人であれば、ご自分で健康であると思っている人であっても、

まず「甘い」なんてことはありませんよね。

唾液の出やすいという人であれば、そこそこいらっしゃるでしょう。

プロ野球の中継を見ていると、特に外人選手ですが、しきりに唾を吐く人が見受けられます。

噛み煙草をしている人も多いのですが、そうでない選手でも、しょっちゅうグランドに吐いています。

自分がスライディングしたら気持ち悪かろうと思うのですが、あまり良い気分のものではありません。

これは、噛み煙草を噛んでいる選手が多いこともあるようですが、

現在、米議会で大リーグの噛み煙草を禁止にしようという話が持ち上がっているそうです。

1988年、大リーグとマイナーリーグで、選手1109人に噛み煙草を使用しているかという調査をしたところ、

39%の選手が使用していたという驚くべき結果だったようです。

またその多くは、10代から使用していたという調査結果が出ているということ。

脱線してしまいましたが、噛み煙草を使う選手は別として、

しきりに唾を吐く選手を見ていると、粘性が高いという人は皆無です。

ましてや、たぶん、「甘い」「香りがよい」人などいないことでしょう。

歳を取ってくると、自然に内臓の機能が落ち、

五臓六腑の精華といわれる唾液は、出が悪くなってきます。

お年寄りの多くが、必ずといって良いほど、のど飴を持ち歩いているのは、

口が渇くので、唾液を出すためなのです。

なに?

貴方も、もう持ち歩いているですって?

それは失礼しました。

皆さんは、是非質の良い修練を一生お続けになって、

上記四つの条件を常に満たす「金津玉液」を出し続けていただきたいものです。

しかし、折角の唾液や金津玉液は、吐いてしまってはいけません。

修練の成果、五臓六腑の精華である唾液は、

必ず自分の修練竅穴に飲んで収めねば、全く持って勿体ないの一語に尽きます。

反対に、汚濁として出て来る痰や鼻汁は、必ず吐き出すことです。




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指定行脚




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功法


2004年6月に、
「位山にて、三日三晩修練せよ。」
という指示が、神々より出されました。

6月とはいえ、標高1529メートルの位山頂上付近は、
氷点下になることも有ると言われ、少しビビリながら決行しました。

下に敷くシートと、上からも被れるように大きめのシートを用意。
レインコートを4枚くらい重ね着した上から着込んで、雨と寒さ対策をしました。

食料はバナナ2本ほどとカロリーメート少々、
500ミリリットルの水のボトルを2,3本のみ携行しました。

三日ほどなら何も食べなくても自信がありましたし、
荷物を減らしたかったので最低限の軽装でした。

この位山では、昭和29年、都竹峰仙(つづくほうせん)さん等3名が同じく三日三晩山頂で、ご神業をしたところ、
精根尽き果て、
戸板に寝かされた状態で運ばれて、下山したと言われています。

位山中腹のモンデウススキー場辺りでも、狐などの野生動物を見ることもあり、
山頂付近では、イノシシや熊が出てきても不思議ではありません。

夜間、人の来ない間は山頂で静功をし、
人が来る可能性のある夜明け前に藪に身を隠し、静功を続行しました。

一日目の夜は、途轍もない濃霧に見舞われ、山頂の松の木の下で修練するも、
霧が木立で水滴に変わり、
「ざぁー、ざぁー。」と、大雨のように降り注いでいました。

雨具の上からブルーシートを被り、一晩過ごしました。

明け方からは、からりと晴れて、快適な天候でした。

日中は、それこそ気配を消して、人に気付かれないよう修練を続けていました。

二日目の夜は、晴れているようでしたが、空は樹木で見えず、漆黒の闇。
目を瞑っていても、開いていても全くの闇でした。

深夜を過ぎて、静功を続けていると、突然身体の50センチくらい横を何か動物が
「ドドドッーぉ・・・・」
地響きを立てて通り過ぎていきました。

音と地響きの感じから、相当な大型の獣のようでした。

これまた、自宅屋上の修錬時の野鳥と同じように、
人の気配を感じないで獣が通りすぎていったのだなぁと思いながら、
静功を継続したものでした。




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「まつり」の形

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功法


「気配」と同じ字を書く「気配り」という言葉が有ります。

この二つの物は、どのような違いがあるのでしょうか?

「気配」について、立川昭二さんは、「気の日本人」という著書の中で、

古語では「けわい(けはひ)」といっていました。
「気(け)」に「はひ(延)」が加わった語で、「はひ」はあたり一面に広がること、
「幸はひ」「味はひ」と似た成り立ちの言葉です。

と書いておられます。

つまり、「気」が本人の意思に関係なく広がっているのが気配という訳です。

この中には、当然のことながら、
中国の気の世界で、既に知られている「衛気(えき)」も含まれているのでしょう。

一方、「気配り」の方は、自動的に広がる気ではなく、本人の意思によって配られる気、
それを「配慮」と呼ぶのでしょうが、「気働き」に近い語感だと思います。

一般的には、「気配」の方は、本人がコントロール出来ない物と現代では思われているものですが、
訓練次第では過去の達人達のように、コントロール可能なものとなります。

「気配」という言葉も、今では
「秋の気配が近づいてくる。」
というように、見えない、つかみ所のないものに使うようになっています。

昔の人は、もっとはっきりと「気」を感じ、
日常的に的確に表現出来ていたのだと思います。




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「まつり」の形

キャノンS90

功法


その後、何回か練習したら、気配を消すことは自在に出来るようになりました。

画訣や伝訣の三元エネルギー取り入れの時に、
「人門を開けて、天地万物に通じます。」と言いますが、それを実際にやるだけです。

先回、

時代劇の闇討ちをする場面などで、
「やって来るぞ。殺気を消せ!」
等という台詞を聞いたことが有るでしょう。

と書きましたが、昔の剣術の達人は、当然の如くこんなことは出来たのでしょう。

後日、知り合いと鎌倉に行くことになりました。

鶴岡八幡宮、長谷寺、鎌倉大仏で有名な高徳院等を周り、
疲れたのでお茶にすることになって、回り階段で二階に上がる喫茶店に入りました。

階段を上りきって、喫茶店の入り口外にえさ箱のような物が置いてあったのですが、
別段動物が居る訳でもありません。

訝(いぶか)しがりながら、席に着きました。

ゆったりと、珈琲を啜(すす)りながら、ふと入り口の方を見やると、
先ほどのえさ箱で野生のリスが、えさを食べて居るではありませんか。

「なぁ~だ、リスさん用のえさ箱だったんだ。」
と合点しながら、暫くその様子を見ていましたが、
根っからいたずら好きの性分が疼(うず)いてきました。

そぉ~と、気配を消してリスに近づいていったのです。
遠くの席から、そろそろとほんの1,2メートルの所まで近づいたら、視界に僕が入ったのでしょう、
凄いスピードで2メートルほど先の手すりの上まで逃げていきました。

ところが、その位置で一度止まると、

「あれぇ~~?」
というような素振りで、振り返ったのです。

野生のリスなので、人が近づけば本来なら完全に安全な位置まで逃げるはずなのに、
そこで暫く様子を伺っているのです。

たぶん、視界に人が入ったので、反射的に逃げようとしたのですが、
何の気配も感じなかったので、どうしたことだろうと様子を見たのだろうと思います。

そこで、僕が気配を戻したら、一目散に駆け逃げていきました。



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