新心身共鳴神法 6
直流から低周波の信号の大きさを判定して、ディジタル回路にHigh/Low
で伝達するための回路で、オペアンプの仲間である「コンパレータ」という
アナログICを使います。
オペアンプの原理と同じですから、非常に大きな増幅度であり、差動入力
のほんのわずかの差を検出することが可能です。
しかし、余り感度が良すぎても使いにくいので、丁度適当な感度にする
ためのテクニックがあります。
それが「ポジティブフィードバック(正帰還)」と呼ばれる方法です。この回路は、シュミット回路とか、ヒステリシス回路とも呼ばれています。
基本的な回路構成は下図のようにし、基準電圧Etが比較の基準になり
ます。
この回路では、出力電圧のR2とR3による分圧した電圧がヒステリシスと
なり、出力を反転させるためには、入力は基準電圧より、このヒステリシス
分だけ余分に差が必要です。
ヒステリシス Eh=(Eout-Et)×R3/(R2+R3)
このことにより、ノイズなどのわずかの電圧差でコンパレータが動作して
不安定になるのを防ぐことが出来ます。
ヒステリシスの値は下記で求められます。
実際のR1,2,3の値の決め方は、R1とR3はバランスをとるため同じ値と
します。通常は数KΩを使います。
あとはヒステリシスをどの程度にするかでR2を決めますが、普通では
このヒステリシスは数10mV以下とします。《実際のコンパレータ回路》
実例として、5V単電源で入力電圧が1Vを基準にした、コンパレータ
回路を考えてみます。
まず基準となる1Vは電源電圧を抵抗で分圧してつくることとします。
使うコンパレータICはモトローラ社の「LM393」です。
このICの出力はオープンコレクタとなっていて出力のプルアップ抵抗
が必要になりますが、コンパレータを5Vより高い電圧で異なっていても
次段に接続するディジタルICの電圧に合わせることが出来て便利です。
実用回路は下図のようになります。
12Kと3Kの抵抗で5Vを分圧して基準の1Vとしています。
ここでヒステリシスは、出力電圧が5Vのときに、数10mV程度になるよう
に10KΩと1MΩで1/100としています。
結果として、出力が1→0になる時は約40mV、0→1になる時は約10mV
のヒステリシスとなります。