尖(とが)る 2
しかし、純日本製の神社の建物は、四角の建物です。
しかも、その屋根の角は、するどくとがって跳ね上がっていますし、
屋根の上には、横に張り出した千木(ちぎ)があり、
まるで角のように千木は創られています。
これは、何を意味しているのでしょうか?
担当する神にお聞きしてみました。
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千木のことは、祓い清めるために後から付けるようになったものです。
獣などが、屋根の上に住まいしたり巣を作ったりしないように、後から工夫をして創られたもので、
最初から我々が指示して創らせたものではありません。
そうした角のように、先の尖(とが)った形状は、気の出し入れに結果的に役立つ形状となりました。
つまり、気が出て行くばかりでは無く、入れたり出したりが出来る鋭いものは、
繋がって、そこから気が入ったり、外に邪気を出したり出来るのです。
新鮮な気を取り入れて、邪気を排泄するように、
後から我々が、その形状を利用して重宝して使っています。
丸であればあるほど、気は溜まり易くなります。
建築するためには四角い方が、大工の仕事として、仕事がしやすいのです。
六角形、八角形から四角形に代わり、四角形が創りやすいので、
五重塔になったり、象徴としての塔がつくれるようになったのです。
これはこれとて、丈夫で長持ちする建て易い形状を考えるならば、
致し方の無いことです。
丸にすることで、強度が十分に保たれず、使い勝手の悪い、
人が大勢集まることが出来にくい形状になってしまうので、四角であることを良しとしたのです。
内に入ってみれば、広い空間があり、気のエネルギーがどこからでも入るような、
龍穴を地形の中に置いた四角ですから
(神社の多くは、龍穴という気の吹き出している土地の上に立てられています)、
更に形状のトラブルなど、問題にならなくなったのです。