尖(とが)る 5

一つの例として、菱香炉を上げてみます。

これを最初に企画した時、自分のアイデアを(図1)のような落書きにして、

こんなようなものを作りたいと、専門家に渡しました。

すると、専門家が後日きちんと図面を引いたものが、

(図2)となって出てきました。

でも、この形は問題でした。

先が尖(とが)り過ぎていると思ったのです。

香炉の先端が尖(とが)っていると、

煙に気が載って漂うのでは無く、直接気が漏れてしまいます。

煙は香炉の中から出るので、これも漏れるのでは無いのか?

と思われるでしょう。

この時の作用は、香炉の中から気が直接漏れるのではなく、

煙にエネルギーを加えて、煙のエネルギーによって邪気を消す手法を考えていますから、

これは香炉の中から直接気が漏れるよりは、

煙となって気が出て行って、邪気を消す目的を果たすのです。

ただし、そのような使い方では無く、たとえば香炉の中でチップを燃やすとか、

邪気を消すための塩を置いておくとか、

そういう方法で使うのであれば、漏れて出て行くことは良いことだといえます。

  図 1

  図 2

  図 3

伝統

Posted by masuda