国生み 1
古事記や日本書紀には、日本の国がつくられる様子が、
おおよそ次のように書かれています。
伊邪那岐尊(いざなぎのみこと)と伊邪那美尊(いざなみのみこと)は、
天の神々から「この漂って不完全な世を、整えてきちんとした国をつくりなさい。」
と命令されました。
そこで二柱の神は、天の瓊矛(ぬぼこ)を、
下界に下ろして海水を「コオロコオロ」とかき回して引き上げました。
そのとき、引き上げた矛先からしたたる塩が固まって、
磤馭慮島(おのころじま)が出来たということです。
その後、二神は、次々と日本の島々を生み、
更に多くの神々をお生みになったとあります。
ところが、ここには多くのことが曲げられて伝えられています。
まず「おのころじま」とは、島ではありません。
無形ではありますが、ある形をし、大きさのある空間を指します。
空間ではありますが、神器と言って、ある役割を持った物です。
良くいわれる三種の神器と同じような物です。
そして、天の瓊矛(ぬぼこ)も無形の神器です。
これは、珠の飾りのついた矛(ほこ:槍の前身のような武器)と
解釈されている説が一番有力視されていますが、
実は「玉杓子(たまじゃくし)」のようなもので、
矛先と棒に分かれています。
この「おのころじま」と「ほこさき」と「棒」三つがワンセットで漸く用が足ります。
どんな役割を果たすのかといえば、
無形の神界で起こった事を、この物質界に事象・事物として現す役割を果たします。
つまり、神界で有ったことを、
この物質界に転写する為の、無形の道具です。