拈華微笑(ねんげみしょう)―7
そしてその独特の修錬の結果として、
天・人「共同語」である元音の把握が可能となるのである。
張先生は続けて語る。
元極功の独特の修錬方法は、
元極図(現在では、もとつきわみ図)の原理に基づいて制定されたのである。
元音は天地万物の「共同語」であって、有・無を貫通する性質を持ち、
天地人を召喚して自然の秩序に従って同調して、真空界に帰還するのである。
自然界の音(おん)はみな一々人体の各部位に相対応していて、
そして人体内の音も刻々自然界の存在に対応している。
この二筋の情報流が人体内で昇降、出入りしたりして、
間断なく対応している。天・人の間に二筋の情報流が存在していて、
心身の間にも同様に二筋の情報流が存在している。
人の思考している事は、心身を貫通すると同時に天地にも貫通している。
元極功が十字真言(現在では十二字真言)を黙念することによって、
訣が生化して音となって、人体内の二筋の情報流を連接して、
無窮に循環する「天人の合体」を形成するのである。
この元極独自の元音の生発、共鳴、伝達の効能を身に着けることが、
「拈華微笑」の伝達方法の基本なのである。
(つづく)
キャノンS90