気配ということ 4
「気配」と同じ字を書く「気配り」という言葉が有ります。
この二つの物は、どのような違いがあるのでしょうか?
「気配」について、立川昭二さんは、「気の日本人」という著書の中で、
古語では「けわい(けはひ)」といっていました。
「気(け)」に「はひ(延)」が加わった語で、「はひ」はあたり一面に広がること、
「幸はひ」「味はひ」と似た成り立ちの言葉です。
と書いておられます。
つまり、「気」が本人の意思に関係なく広がっているのが気配という訳です。
この中には、当然のことながら、
中国の気の世界で、既に知られている「衛気(えき)」も含まれているのでしょう。
一方、「気配り」の方は、自動的に広がる気ではなく、本人の意思によって配られる気、
それを「配慮」と呼ぶのでしょうが、「気働き」に近い語感だと思います。
一般的には、「気配」の方は、本人がコントロール出来ない物と現代では思われているものですが、
訓練次第では過去の達人達のように、コントロール可能なものとなります。
「気配」という言葉も、今では
「秋の気配が近づいてくる。」
というように、見えない、つかみ所のないものに使うようになっています。
昔の人は、もっとはっきりと「気」を感じ、
日常的に的確に表現出来ていたのだと思います。
シグマDP2Merrill(メリル)