ショパンは神になっているか? 1
ワルシャワで、もう一箇所行きたいと思ったところがあります。
ショパン博物館です。
行きたいと思ったからには、ショパンは神になっているはずだと考え、直接聴いてみることにしました。
やはり神上がっておられ、以下がその返事です。
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ポロネーズ第6番変イ長調Op.53「英雄」が代表的な作品として有名ですが、私の大好きな曲でもあります。
(ポロネーズは、ショパンの祖国ポーランドの貴族の間に伝わる民族舞曲で、
比較的テンポの遅い威厳に満ちた格調高い3拍子の音楽です。ショパンは生涯で、
18曲のポロネーズを書いたと言われています。)
この曲が私の支えとなって作曲を構成していきました。
わたしが、作曲家として名をなしているのは、それは時の流れを変える音楽が、
世の中に要求されていたにすぎません。
この曲が私の支えにもなりました。
この土地に生きた者の特質があたえられた神のしらべです。
降ろされた曲を私が書き写しただけのことです。
ただ、ただ、それだけのことで、私に神から与えられた仕事です。
人が私を偉大だと言いますが、それは、降ろされた曲をただただ、
真似て演奏してそれを作曲して、自分の仕事として見せかけていただけのことです。
見せかけの姿ですから、恥ずかしいこと極まりがありません。
私は、そのことを喜びに思っていました。
神に与えられた仕事を忠実にこなしていたことが、
今の世の中でもてはやされているだけのことです。
役割を与えられて、それを忠実にこなしたことが、わたしの仕事の、そして人生の全てでした。
そもそも作曲など出来るわけもありません。
私の才能が、生み出したことでもなく、私の喜怒哀楽に応じて、神々がそのつど、授けてくださった。
それだけのことです。
ただ、私がなしえたことは、降ろされた曲を忠実に、ひきこなす努力をしました。
日々努力をして、はやく鍵盤をたたくことの努力をしました。
その努力が報われたことは、最高の喜びです。
あなたが、来てくださいますこと喜びにします。館は、人ごみの多いところです。
館の中でなくとも、一目、わたしの顔を見ていただけたなら喜びとします。
(ここまで、博物館に行く直前に、ショパンの神に可否を問いました。)
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(つづく)