人の身体、塩分について(3)
健康な者は、自然に海水から造った塩を取ればよいし、臓器の具合が悪い者は、良くなるまで減らせばよいのであって、健康な者まで減らす必要はないのです。
人が自然な食生活を営み、文化の継承として、塩の働きを尊重してきました。
取りすぎ、食べ過ぎ、または食べない。という極端な健康法をいたずらにするのではなく、塩分も他の食品をも生きて働くために摂取することです。
「地産地消」の原則の中で、地に根ざした食品を食べる。暮らしている土地の風土のあったものを食べる。食文化の発展の原則のなかで、人が脈々と伝承してきた文化をいかすことが、塩の消費の面からもいえます。
風土に合わない珍しい食品が横行し、季節にも、生活にも合わない食物が多いのが現状です。「よい」とされるモノを時も季節も身体の条件も関係なく、ただただ大量に取れば元気になると考えているサプリメントなどの物は、過ぎたるが及ばざるがごとしです。たとえば、アフリカでタロイモばかりを食している者達の食生活が、全ての人にとって、良好な食事とも言い切れません。
健康な者が無意識のうちに、即ち通常の生活の中で普通に取っている塩分程の量は身体に悪いとは言えず寧ろ良い結果を生みます。(精製された物や、岩塩は除く)
寧ろ、良い物だと言って意識して大量に取るサプリメントや薬の類の方が、身体にとっては遙かに悪いと言えるでしょう。
風土にあった、食物、食品を食べることが一番良い食生活であることを忘れてはいけません。塩についても伝統に根ざした、塩の消費量を守るべきで、文化の伝承を受け継いでいく必要がありそうです。
(完)