五魔・六邪と七情・六欲 【気功講義 Vol.106】
我らが師こと「カメ仙人」の気功講義をご紹介していきます。
今回からは「五魔・六邪と七情・六欲」について、4回シリーズの最終回です。
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五魔、六邪、七情、六欲とはそれぞれ何か?という質問がよくあります。六邪と七情は、既に「階ひと」の教科書「病気とは何か」の中で述べられています。
「六欲」
仏家では人(顕在意識)の主観と客観との有機的結合によって慧心(けいしん)(心)を認識するとしています。主観は根(こん)と言い、六根のことで、眼・耳・鼻・舌・身・意を言います。客観は境(けい)と言い、六境で色・声・香・味・触・法のことです。六根と六境が対応して六識(しき)が生じます。
六識とは、眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識のことで、六境を知覚します。仏家では、六識の発生と昇華が心を明らかにする過程でもあるとされていますが、元極功法では慧印を明鏡に嵌め、慧心を探します。慧心が明らかになれば、六識は自ずと顕れるのです。
人は、この物質自然界や社会の中で生活しているが故、目、耳、鼻、舌、身の感覚器官を自然界の陰陽と四時の変化及び色、香、味、声、触などを通じ客観の物質と接触して、有形有象の喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の感情や思い・意識の主観生活を続けています。
このような客観の物質と主観生活が絶えずに運動・発展していって、精・気・神に常に有形(動)、無形(静)の摩擦、激突を与えて攪乱(かくらん)するため体内の三元を漸(ぜん)次(じ)に喪失させて、多より少になり、強から弱に変わり、ついに疾病を発生し、生命を縮める結果をもたらすのです。
つまり人の構成としての、魂、本性と心、潜在意識、顕在意識が十分その役割を果たし得ない状態で生活していくため、肉体としての有限生命が早々と死を迎えてしまうのです。ところが人類は、その原因をもっぱら有形有象の有限生命のみの研究に求めるばかりで根本的解決に至らないのです。
「五魔」「六欲」というのは、そういった有形有象の「欲の象徴」とも言えます。
「六欲」とは六根の欲情で、異性に対して生ずる六つの欲を言います。
色欲、形貌(けいぼう)欲、威儀姿態(いぎしたい)欲、人相欲、言語音声欲、細滑(さいかつ)欲のことです。
日之本元極 亀仙人
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