ピカソ 再び (3)
ピカソは、絵画だけではなくリトグラフや彫刻、造形物など、数は少ないけれども、作品を残しています。
それらに関してピカソの感想です。
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彫刻は、私にとって手を満足させる手法として、自分の気に入った工作でした。
平面的で、表面的な表現しかできないカンバスと違って、立体的に物事を捉えることが出来る彫刻などの造作物は、私にとって好きな作品でした。
しかし、わたしのアイデアや湧き上がって来るエネルギーを次から次に、昇華させるには、あまりにも時間がかかったので、それほど、多くは残していません。けれども非常に好んだ工作でした。
いずれにしても、自分の気持ちを表現する技術を与えられたことは、幸運なことです。誰しもが、自分の気持ち、内面を表現したいと望んでいますが、それは、往々にして許されることなく、自己表現できないままにいます。そういう技法を神からいただいた私は、非常に幸運だったと思っています。
作品の一つ一つは、私の手柄、誇りです。手柄として私の手の後、気持ちのあとが、表現されている「てがら」です。手柄は、だれにもあることですけれど、それが、数多く形にして残せる画家という仕事は、名誉ある仕事だと思います。作品が、後世のあなた方にまで認められて目にとまることは、本当に幸せだと思います。
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(続く)
今、国内三カ所でピカソの展覧会を開催しています。いずこも会期明日までです。
巨匠ピカソ愛と創造の奇跡 国立新美術館 ~12/14
巨匠ピカソ魂のポートレート サントリー美術館 ~12/14
ピカソとクレーの生きた時代展 名古屋市美術館 ~12/14