ピカソ展(5) 国立新美術館、サントリー美術館、名古屋市美術館
ピカソが自分の体験したこと、考えていたことを、皆さんにお話し下さるそうです。
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私の名声に乗せて、私が体験したことの中で、いくつかのエピソードを紹介します。
芸術の善し悪しというのは、エネルギーの交換にあります。エネルギーがそこに存在して、みている者の心を揺り動かす。それは、「感動」という言葉で表されます。それは、「感動する」という言葉が当てはめられます。
感動するというのは、心を揺り動かす、魂を揺り動かす、そこにそういうエネルギーが存在しているということです。
わたしは、被写体にエネルギーを感じて、エネルギーを取り入れ、キャンバスにエネルギーを注ぎ込みました。そして良い絵を描き続けました。枯渇したエネルギーをまた、次から次へと、私の周りにいるパワフルな女性たちが、提供してくれました。私の絵はエネルギーにあふれていました。
しかし、それは、悪く言えば偏ったエネルギーに満ちていたことになります。私の絵を感銘して受け入れてくれた者達もいれば、不快に感じる人もいます。
そこに、私の偏向さ、偏屈さ、歪曲した精神があります。
私自身、決して円満な人格ではありません。私は、きわだって、しつこい、粘着気質の性格があります。そうでなければ、一つの事柄に固執して爆発的なエネルギーを注ぎ込むことが、難しかったでしょう。
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(続く)
写真をクリックすると大きくしてご覧になれます。「フランソワーズの肖像」1946